ジェイテックコーポレーションのIPOの概要
区分 | 内容 |
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上場日 | 2月28日 |
企業名 | ジェイテックコーポレーション |
銘柄コード | 3446 |
業種 | 金属製品業 |
市場 | マザーズ |
事業概要 | 大型放射光施設で使われるX線ナノ集光ミラーの開発・製造・販売、各種自動細胞培養装置等の開発・販売 |
手取り金の使途 | 手取り金の使途は全額設備資金に充てるそうです。 設備投資の使途は、オプティカル事業で生産するX線ナノ集光ミラーの生産の増強及びライフサイエンス・機器開発事業における開発体制の強化を目的として新たに本社隣接地に建築する第2開発センターの建物・構築物および、 第2開発センターに設置を予定しているオプティカル事業に係る機械装置に充当するそうです。 |
ジェイテックコーポレーションの事業内容
創薬、医療技術分野におけるイノベーションの推進に貢献するシステムの開発、販売を行っているそうです。
ジェイテックコーポレーションは、『オプティカル事業』と『ライフサイエンス・機器開発事業』の2つのセグメントを有しています。
●オプティカル事業
『オプティカル事業』の主要製品は放射光及びX線自由電子レーザー施設向けX線ナノ集光ミラーです。
当事業では、兵庫県に建設されました大型放射光施設「SPring-8」や、「SPring-8」に隣接して建設されたX線自由電子レーザー施設「SACLA」及び海外の同様の施設で行われています。
X線を利用した基礎研究や産業利用など幅広い研究のための高度化された分析装置に使用されるX線ナノ集光ミラーを中心とした特殊ミラーの製造・販売を行っています。
●ライフサイエンス・機器開発事業
『ライフサイエンス・機器開発事業』の主要製品は各種自動細胞培養装置、その他自動化装置です。
当事業では、創業当初から大手企業と各種自動細胞培養装置を共同開発し、製造・販売してきたそうです。また医療及びバイオ分野以外にも半導体分野、化学・繊維分野、印刷分野等の様々な分野において研究機関や企業からの委託開発製品や独自の製品を開発・製造・販売してきたそうです。
ジェイテックコーポレーションの経営環境
<オプティカル事業>
世界の放射光施設やX線自由電子レーザー施設は約70か所あり、目下、新設や増設、高度化投資が盛んに行われています。平均的なビームライン数は1施設当たり約30本、おおよそミラー4~10枚/ビームラインであり、これらがX線ミラーの潜在的な市場規模を構成しています。(平成27年6月19日、株式会社シード・プランニングによる調査「放射光用X線ミラー市場に関する調査」による)特に、約10年前に当社のX線ナノ集光ミラーを上市した時点では、海外の放射光施設では今日のような高精度のミラーの需要はわずかしかありませんでしたが、当社ミラーが採用され、世界で初めて稼働され、その後さらにいくつかの納入実績を背景に特に海外施設からの注文が加速度的に増え、今では当社ミラー売上の8割以上が海外受注分で占めるようになりました。
さらにこの70か所のほか3.5世代や新しい自由電子レーザーなどの施設が30施設建設中・計画中で順次完成しており、これら次世代の高度化施設の新設に伴い、高精度ナノ集光ミラーの需要拡大が予想され、今後それぞれの建設中の放射光施設のビームラインは2~3年ごとに5~6本のビームラインが随時立ち上がる予定で、少なくとも今後10年以上は需要が継続し、市場規模は拡大傾向にあると考えているそうです。
<ライフサイエンス・機器開発事業>
ライフサイエンス・機器開発事業は、創業当初から続くジェイテックコーポレーションの根幹事業であり、特に自動細胞培養装置の事業は、大手企業が次々に撤退するなか、ジェイテックコーポレーションは再生医療及びiPS細胞関連機器へと順次開発・製造を推進してきたそうです。今後も自動細胞培養装置の事業を継続するためには、これまでどおり絶え間ない自動化の技術開発と協力会社との連携による効率の良い生産体制の構築が必要不可欠であると考えていますが、さらに独自の培養技術の開発が必要不可欠と考えているそうです。
現在、iPS細胞の出現により再生医療や創薬の分野において新しい産業が創出されようとしていますが、iPS細胞の産業化が進む現状で、その大量培養技術の確立が急務となっています。
そこで当社は、長年、産業技術総合研究所と共同開発している当社独自の浮遊培養技術「CELLFLOAT」をキーテクノロジーとして「3次元培養技術に関する研究開発」を推進し、急成長が予想される再生医療向けの周辺産業に関する自動細胞培養装置や培養容器などの商品開発を積極的に展開しており、平成29年1月には「CellPet3D-iPS」や「CellPetFT」等iPS細胞用の3次元培養装置を中心に随時上市してきたそうです。さらに平成29年7月には本技術が、大阪大学等と戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン、経済産業省)に採択され、大阪大学医学部の協力を得て「CellPet3D-iPS」をもとにiPS細胞の創薬や再生医療への展開に必要な大量培養技術の開発を加速してまいります。(研究テーマ「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養自動化技術の実用化開発」)また平成28年9月には日本医療研究開発機構(AMED)に採択され、再生医療向けの3次元培養システムの商品化のために臨床研究を進めているそうです。